ホラー庄七堂『カーナビゲーション』【本当はなかった怖い話シリーズ】

転職の為、実家を離れ一人暮らしを始めた頃の話。
自家用車は持っていたが僕は地図を読むのが苦手な上に馴染みのない土地に引っ越してきたということもあり。
これを機会にカーナビを買おうと思いたった。
「使えればいいや」ぐらいの感覚だったので近所のカーショップで中古を探した。
割と新しめのものが安く売られていたので深く考えずに購入した。

取り付けてからしばらくは問題も無く作動していたし中古だからといって何の不具合も無かった。

でも、ある日の休日。

最近出来たという大型ショッピングモールへ行った時のこと。

買い物をして、映画を見て、レストランで食事をし帰路についたのは22時くらいだったと思う。

目的地を自宅にセットし◯◯道を走っていると、、、

「300メートル、先、右折デス」

おや?と思った。

来た時も(30分ぐらいかかったが)この大きめの道沿いを走ってきた。
こんなところで曲がった記憶は無い。
でも目的地は自宅を差している。
渋滞情報に合わせて裏道を案内しているのかとも思い(それほど混雑しているように見えなかったが....)、少々不信に思ったが指示通りに走行する。
するとどんどんと住宅街のほうに走っていく。
どうもわざわざ迂回しているようにしか思えない。

だんだん交通量も少なくなり、対向車とすれ違う回数も減って来る。

その時、出し抜けにカーナビが、、、

「目的地マデ、600メートル」

えっ!!と思った。

まだ自宅にはほど遠い、見当違いのところだ。
でも、目的地は自宅を指している。
「カーナビのミスかな...」
と思った。

「目的地マデ、300メートル」
「目的地マデ、100メートル」

だんだん近付いてきてはいるみたいだ。
周囲を見回すと団地が立ち並ぶ普通の住宅街でありなにかの施設があるわけでもない。

「目的地ニ、到着シマシタ」

そうカーナビが告げる。

そこは、、何の変哲も無い交差点だった。
丁度赤信号だったので車を止め、カーナビの設定を変更しようと思って手を伸ばした時、、、

「ココデ」

えっ?
カーナビが唐突に喋り出す。

「ココデ、ココデ、ココデ」

繰り返す。
段々言葉と言葉の間隔が短くなっていき。

「ココデココデココデココデココデココデココデココデココデココデココデ・・・」

とループしだした。
此所で?
不意に背筋がゾッとして辺りを見回す。
その間もカーナビは喚き続ける。

「ココデココデココデココデココデココデココデココデココデココデココデ・・・」

その時、目に留まった。
横断歩道、ガードレール脇に花が供えられているのを。
すると不意にカーナビの音声が途切れ、、
しばらくすると抑揚の無い声でこう喋り出した、、、、

「ココデ、死ニマシタ」

カーナビの音声にもある程度の愛嬌はあるものだがこの時の声は、、全く無機質としかいいようがない、、なんと言ったらいいか「この世のものではない声」に聞こえた。

「ココデ、死ニマシタ」

「ココデ、死ニマシタ」

「ココデ、死ニマシタ」

「ココデ、死ニマシタ」

僕は声を出すことも出来ず、身体中から血の気が引いていくのを実感していた。
いつのまにか青信号になっている。
急いで車を出す。
カーナビの”声”はまたループに戻っていた。

「ココデココデココデココデココデココデココデココデココデココデココデ・・・」

延々とループする”声”。
「これ以上聞いていたら自分は発狂するかもしれない...」
そう思い、夢中でカーナビの電源を切った。

「ココデココデコ....」

それから歯の根も合わない程の恐怖に苛まれ(電源を切ったはずのカーナビがいつ喋りだすかという恐怖に)どこをどう走ったのか定かではないがなんとか自宅に辿り着いた。
翌日、そのカーナビを取り外し配線を切断し、水に浸けてから(なぜかそこまでしないと「また喋り出しそうな」気がしたから)廃棄した。

いま、これを書きながら幾分冷静になって考えてみる。
自分は霊的な現象を積極的に肯定するほうではないがやはりあれはあの「交差点に供えられていた花」が原因ではないだろうか?
あそこで衝突事故を起こして亡くなられたかたの霊がカーナビを触媒として僕に語りかけてきたのではないのか?
しかし霊感が強いわけでもなくむしろ全く無い僕に聞こえるものなのか?
もしくはそのかたが生前使っていたカーナビだったのではないか?

いや、まさか。

事故車のカー用品など出回るものだろうか。
そもそも衝突事故を起こした車のカーナビ等使用出来る状態にあるわけがない。

ふと、残酷な仮説を思いつく。

あの「交差点に供えられていた花」は”事故”で生命を落とされたものとは限らない。
ひょっとしたら”事件”だったのかもしれない。

僕は”声”の途中でカーナビの電源を切った。

「ココデココデココデ、コ.......」

切る直前ループする声のイントネーションが若干変わりかけていた気がする。

「ココデココデ、ココデ、コ.......」

あの後に続く言葉は、、、

「ココデ、殺サレタ」

だったのではないだろうか?
僕はそれを確かに聞いたが無意識がそれを聞かなかったことにしてしまったのかもしれない。

だとするとあのカーナビの持ち主は..............










*エイプリルフールなので。
スティーブン・キングと最近読んだラヴクラフトの『死体安置所にて』が実に素晴らしい”怪談”だったので書いてみた。
誰かこれを元にニコニコ動画の『ゆっくり怪談』シリーズにアップしてくれないかな。
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ジャンル : 小説・文学

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庄七..

Author:庄七..
日記にはアルビレックス新潟、U-18年代、大学サッカー等の観戦記とプロレス、漫画、小説の感想等を中心に書いていく予定です。

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162cm / 52kg
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