シネマ庄七堂:~なんてラブリーな日だ!~ 映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観た

マッドマックス 怒りのデス・ロード
監督:ジョージ・ミラー
キャスト:トム・ハーディ
シャーリーズ・セロン
ニコラス・ホルト




よく「ノンストップ・アクション」と呼ばれる映画はあるがこの映画は8割以上がカーチェイス。
次々と登場する悪夢的造形の自動車。
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これはまだわかる(主人公の愛車"インターセプター")
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「走る剣山」ことヤマアラシ(絶対乗りたくない)
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ドーフ・ワゴンという荒野のサウンドシステム。
前面に専属のギタリスト、後ろにはドラムスの方々が。
近代的な武装と原始的な手法が混在したアタックシーン(銃火器は存在するけど槍とか銛、クロスボウも)
疾走する中で語られる背景とストーリー(無駄なセリフがほとんどない)
それだけで説明には十分だがさらにヴィジュアルが完璧に補完してる。
荒野の独裁者イモータン・ジョーの砦(もうあそこまでいくと"国家"やけど)のヴィジュアルインパクトの半端ないディストピア感(それでも何処かしら抗し難い"魅力"を感じてしまうのがミソ)
イモータン・ジョーの戦闘員「ウォーボーイズ」が今作の特徴。
彼らは「荒野の無法者共」ではなく「狂信者」
死を恐れず、勇敢に戦って死ぬ事が彼らの望み。
ハッキリ言って「ヒャッハー!」するモヒカンより怖い。
一人のウォーボーイズ(多分、童貞)の心境の変化(恐らく、童貞故に)がストーリーの鍵になる、、、、

という説明はさておいて。

予告編を見て興味が出たなら迷わず観に行く事をお勧めする。
なぜならマッドマックス新作の凄いとこは予告編以上のモンが矢継ぎ早に繰り出されるところだから。
口に銀のスプレーを吹き付けて「なんてラブリーな日だ!」と叫びながら見る映画。
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

シネマ庄七堂:~みんな 丸太は持ったな!!~ 映画『フューリー』を観た

先週の土曜日は池袋で映画を観てきたやで。











フューリー
監督:デヴィッド・エアー
キャスト:ブラッド・ピット
シャイア・ラブーフ
ローガン・ラーマン
マイケル・ペーニャ
ジョン・バーンサル
ジェイソン・アイザック


ノルマンディー上陸作戦後。
ドイツの反撃にあいながら進軍するアメリカ軍。
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感想としては「戦争映画」としては76点ぐらい、、、
ただし「戦車映画」としては1200点!

戦争映画としてちょいと減点の対象となったのは中盤のドイツ人女性とのアレコレと最後のバトル。
上映時間が134分というのは戦争映画だと長いものではないけど中盤のはちょいと冗長というかもうちょい短くても良かったのかも。
ただキャラクターの説明描写が劇中であんまりない(ブラピがなんでドイツ語を喋れるのか?とか)し男達のその後の団結と絆を示唆する上では不可欠。
不必要なシーンでは全く無い(けど長い)
最後は「ブラピ無双」になるが「戦車関係なくなってるやん....」というのが率直な感想。

逆に戦車映画としての加点対象は数多い。
何冊かの戦史を読んできたワイのような人間には「なるほど」と思わせる描写が多々。
基本的なことで言えば戦車の乗員5名。
車長、砲手、装填手、操縦手、副操縦手。
この映画の主人公の一人ローガン・ラーマンは新兵で副操縦手を任されるがどういう役割かというと車内から機銃を撃つ(本来は無線手も兼ねるがそれは車長のブラピがやってる)
本を読んでもそれぞれの役割が想像し辛い部分が映画としてみるとスムーズに伝わって来る。
また戦車が歩兵にとってどれだけ脅威でありまた味方の場合どれほど心強いかということもわかる(シャーマン中戦車はノルマンディー上陸作戦でも投入されたが上陸後に砲弾を撃ち尽くした際も海岸を行き来することで歩兵の遮蔽物として働いた。上陸以前に沈没したり海中の溝にはまって動けなくなったりといった悲惨な車輌も)
野戦における曳光弾(発光する弾、機関銃の四発に一発は曳光弾、弾道を目視するのが目的)がレーザービームみたいに飛び交う描写は戦争映画としては斬新なのでは?
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そして対戦車兵器としてのパンツァーファウストの威力と射程距離の短さ!
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威力は確かに「子供でも」戦車一輌を破壊する事が出来る反面「えっ!こんなに近付かなきゃいけないの?」というぐらい射程が短い(まあ原理はロケット花火みたいなもんやからね。ドイツ兵がドイツW杯の柳沢ぐらい近距離で豪快にふかしているシーンも)
それと白燐弾の使い方。
本来は煙幕効果が目的だが建物に撃ち込んで発煙(プラス発火)で中にいるドイツ兵を燻り出すという「超強力なバルサン」みたいな使い方をしていたのが目から鱗。
投降しているドイツ兵(SS)を射殺してたけどああいうのもハリウッドの戦争映画(第二次大戦)では珍しい(その射殺された将校から素早く腕時計をもぎとっていく兵士とかね。戦争犯罪もしくは反英雄的行為もしっかり描写されている)
あとブラピが時折カート・アングルに見える。

この映画の(戦車映画としての)クライマックスはティーガーとの対決。
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こっちの砲弾はカッツンカッツン弾かれるがこちらは一発被弾したらお終い。
スリリングな戦車戦が展開される。

ちなみにシャーマンの側面に丸太が積んであるがあれはぬかるみにハマった際に活用する為(多分パンツァーファウストの防御にもなる)のものであり武器として使用するわけではない。
決して『彼岸島』オマージュではないことを最後に付け加えておきたい。
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*画像はこの映画となんら関係ありません
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みだれ撃ち映画ノート

家から徒歩1分以内(パントキックでボールが届くぐらい)のとこにTSUTAYAがあって最近会員になった。
なので休みの前日に旧作借りまくって見まくる生活を送ってるで。
そんな中で面白かった映画を適当にピックアップ。
新作でもなく準新作でもない微妙に古い映画ばかり。
備忘録のような映画レビュー。

『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』

散りばめられた小ネタの地雷原映画やで〜。
特にベン・スティラーが「俺はデヴィッド・ベッカムだ!」って叫びながら生首蹴っ飛ばしてるシーンが実に良かったで。
まあ結局は最後のダンスが全部持っていくんやけどね。

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

暴力の連鎖を描いた映画やねんけどそれとは別に「熟年夫婦のコスプレSEXシーン」がある意味最も衝撃的な映画。
最後の食卓のシーンは説明的でもなく語り過ぎずに「その後」を提示していて実に上手い。
あと主演のヴィゴ・モーテンセンってノルウェー代表のヨンセンに似てるよね(スールシャールはイライジャ・ウッドに似てる。どちらもノルウェー代表FWでどちらも『ロード・オブ・ザ・リング』に出てる)

『ヒトラー 〜最期の12日間〜』

最初と最後のナレーションはいらんかったような気がするけどまあ保険の意味もあるんやろうね。
吹き替えで見たんやけどヒトラー役は大塚周夫さんやった(僕の中では『ガンバの冒険』のノロイ役の人)
登場人物の相関図や当時の戦況をある程度抑えておくとより楽しめる。
ただそんな予備知識の無い人に2時間半を超える上映時間(ワイは予備知識があるからそんな長いと思わんけど)は長過ぎて二の足を踏む人も多いかもしれん。
そんな人には水木しげる先生の『劇画 ヒットラー』をお薦めする。

ヒトラーの自伝としては完璧な内容。併せて読めば尚良し。
あとドイツの戦争映画だと『スターリングラード』もお薦め(ジュード・ロウが出てる方やないで)

主演のトーマス・クレッチマンは『ヒトラー 〜最期の12日間〜』でもヘルマン・フェーゲライン(エヴァ・ブラウンの義弟)役で出演。

『マネーボール』

出塁率を見込んで獲得した選手が代打でサヨナラホームランを打つシーンにスポーツの不合理性が出てた。
あとアスレチックスの監督役が故フィリップ・シーモア・ホフマンだと見終わってから気がついた。合掌。

『ピラニア3D』

お魚さんたちと血と肉塊とパイ乙まみれの映画。
具体的にどんな映画かというと次回作の『ピラニア リターンズ』のDVDパッケージに、、、

前作は『アバター』のジェームズ・キャメロン監督に酷評されたが......

と紹介される様な映画。
吹き替えで見たんやけどジェリー・オコンネルの吹き替えが東地宏樹さんでこの前に見た『マネーボール』ではオーナー役のブラッド・ピットの声を渋くやってた人がこの映画では「おっぱい!」と連呼してて衝撃を受けた。

『ホステル』

『ホステル2』

スロバキアへの熱い風評被害映画。
漠然とした「東欧ってなんか怖くね?」というイメージを具現化、
監督はイーライ・ロス(前記の『ピラニア3D』にもちょこっと出演)
2はコメディ色が強くなったのと加害者側の視点も描いててマンネリ化を避けてる。
ああいうドンデン返しとオチ好きよ。

『ダイアリー・オブ・デッド』

ジョージ・A・ロメロ監督のドキュメンタリータッチで描かれるゾンビ映画。
主観ショットや織り交ぜられる監視カメラの映像が緊迫感を際立たせる。
ゾンビって動きはノロいのに「いつの間にか囲まれてる!」ってのがミソよね。
『28日後』のメッチャ駆け足高速カウンターなゾンビもたまにならエエけどやっぱりゾンビにはゆったりポゼッションしてほしいやね。
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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

シネマ庄七堂:~オマージュはポタージュのように~ 映画『パシフィック・リム』を観た

今日は味の素スタジアムに東京ヴェルディvsV・ファーレン長崎を観に行くつもりやった。
けど14時頃から突然の雷雨。
まあ雨も雷もしばらくしたら止んだので「試合は出来るやろう」と思い新宿に向かったところ京王線が運行停止。
しかも復旧の目処がたっていないらしい、、、
それならばとスパッとサッカー観戦は諦め。
折角新宿に出て来たのだから気になっていた映画を観る事に、、、、、

パシフィック・リム
監督:ギレルモ・デル・トロ
キャスト:チャーリー・ハナム、菊地凛子、イドリス・エルバ、クリフトン・コリンズ・Jr、芦田愛菜


あらすじ・・・ロボットと怪獣が殴り合い、ボコり、ボコられる映画。
突如現れた"カウジュウ"の脅威にさらされた人類は対カイジュウ専用ロボット、、通称「イェーガー」を駆り怪獣に立ち向かう。

ちなみに「イェーガー」というのはドイツ語で"猟兵"の意(戦車に使われる事も)
まずロボットものの基本として"総称"としての"呼称"は重要(MSやHM、MHとか)
そして「国家vs国家」ではなく「人類vs怪獣」にした点も評価ポイント。
これでストーリーラインがすっきり。
アメリカ、ロシア、中国、オーストラリアの環太平洋諸国が一致団結して外敵をぶちのめすという構図のわかりやすさ(ちょっとだけ漫画『テラ・フォーマーズ』を思い出した。まああっちはもっと複雑で今は違う展開になってるけど)
ストーリーラインは『インディペンデンス・デイ』とか『マトリックス3』を想像して頂ければ大きくは外れていないだろう。
人によっては「ありきたりの展開の連続」に思えてしまうかもしれないがむしろそれで良い。
ストーリーを複雑にしてしまうとアクションを描けなくなってしまうからね!
そう、まずはイェーガーvs怪獣の"超重量級アクション"を堪能してほしい。
登場するイェーガーはスタイリッシュなデザインではなく、とても「重機感」を感じさせ基本的に銃器は使わず素手で殴る(もしくは刀剣で叩き切るか手近にあったタンカーを掴んでぶん殴る)
vs怪獣のシーンは素人目にもとてつもない手間と予算を掛けているのがわかる。
こういう映画は往々にして「宣伝用にアクションシーンのおいしいところだけ使ってて意外と本編は物足りない」という事もありそこを危惧していたのだが良い意味で裏切られた。
「巨大ロボがガッツンガッツン動くシーンが見たい」という欲は腹がはち切れる程堪能出来た。
僕は3Dで観たのだが2Dでも楽しめる筈だ。
あ、あと吹き替え版だったのだが菊地凛子の吹き替えが林原めぐみでちょっと最初に違和感を感じた。
まあ日本人女優の吹き替えを別人の日本人がやるんだからこれは致し方ない。決して悪くはないし。
ケンドー・コバヤシの吹き替えは意外と良かった(知らずに観ていてエンドロールで気がついたから)
ただちょっと抑揚がないというかもうちょっとケレン味があったほうが僕は好きかな(怪獣臓器屋の解体シーンはちょっと『スターシップ・トゥルーパーズ』ぽかったね(笑)あの寄生虫とか)
二人の博士の古谷徹さんと三ツ矢雄二さんの掛け合いは「これぞ吹き替え!」って感じで実に良かった。

さて、肝心のイェーガーのメカデザインについても触れておこう。

ジプシー・デンジャー
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本作の主役機。
武器はプラズマキャスター、ロケットパンチ(ただし腕は飛ばない。肘に搭載したジェットで加速させる。ちゃんと撃つ時は「ロケットパンチ!」って叫ぶよ)、チェーンソード。
頭部(特に目は)ロボットものとしてはクラシカルなデザイン。

ストライカー・エウレカ
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オーストラリア製。
両腕のスティング・ブレードで怪獣をメッタ刺し。
胸部にミサイル搭載。
登場するイェーガーの中で(恐らく)最新の機体。
デザインも(下半身は)スタイリッシュ。

コヨーテ・タンゴ
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From JAPAN

チェルノ・アルファ
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ロシア製イェーガー
その武骨でアンバランスな頭部はソ連の多砲塔戦車を思わせる。
そのゴツいナックルで殴る、ひたすら物理で殴る。

クリムゾン・タイフーン
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MADE IN CHINA
パイロットは中国人の三つ子(基本イェーガーは二人乗り)
モノアイ、二本の右手というアンシンメトリーさ、膝から下が逆関節という奇抜なデザイン。

なかなかに個性的なイェーガー達。
一見してわかるように日本のロボットアニメの影響も色濃いが『ロボコップ2』の「ロボコップMk-2」や『第9地区』の「エビロボット」のようにハリウッド映画を彩ったロボット達(どちらも滅茶苦茶好き)の系譜も感じさせる。
それぞれデザインがハッキリ違うので人により好みもわかれそうだ。
僕ですか?
僕は、、、、、
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買っちった!
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こんなに格好良いのに明らかに売れ残ってたで。
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機体胸部には「暴風赤紅」という漢字が書いてある。
『クリムゾン・タイフーン』やからね。
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実写で「巨大ロボット映画」というジャンルが今までに存在したのかどうかは(不勉強故に)定かではないけれど(まあ『ガンヘッド』がそうかもしれんが...)この映画はジャンルを確立すると同時にこれ以降の「ロボット映画」の一つの指標として存在し続けることになるだろう(一つだけ欲を言わせてもらうならロシアと中国の見せ場がもう少し欲しかったかな)
デル・トロ監督は『スローターハウス5』の映画化も進めているそうでこちらも楽しみ(監督は『パシフィック・リム』以前にラヴクラフトの『狂気の山脈にて』を映画化しようとしたが頓挫したらしい。"カイジュウ"も海の底から現れるところがクトゥルフ的だしね。まあまだ諦めてないらしいが(笑))
原作の小説は何度も読み直している程好きな作品だけに期待もあれば不安もある。
前後する時系列、映画としてまとめるのは難しい。
だが72年に映画化された作品は断片的なエピソードを小気味良く繋いでいて非常に良く出来ていた。
かなり原作に忠実な作りの映画だったと思う。
さてデル・トロ監督は『スローターハウス5』をどう描くのか?
原作に沿ってディティールにこだわるのか?
はたまた原作を大胆に解釈するのか?
そして何より「トラルファマドール星人」をどう映像化するのか?
興味は尽きない。
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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

シネマ庄七堂:~山小屋で調子にノッた大学生が殺される話~ 映画『キャビン』を観た

昨日は池袋で映画鑑賞。
上映前の予告で『シー・トレマーズ』っちゅうのがやってたんやけどどうもあの名作『トレマーズ』とは無関係で邦題としてつけられたみたいね。
まあ予告編の映像見る限りは「海のトレマーズ」で間違ってないんやけど。
そもそも『トレマーズ』って「陸のジョーズ」って設定が売りやったから「シー」にしたら一回転してそのまんまやで.....

さて、今回見た映画はこちら。。。

キャビン
監督:ドリュー・ゴダード
キャスト:クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース、アンナ・ハッチソン、フラン・クランツ


ストーリーは「大学生達が山小屋でのバカンスで恐ろしい目にあう」という至ってシンプルなもの。
大学生、山小屋、地下室.....
死亡フラグがアルペンスキーの"スラロームポール"のように立ちまくる。
冒頭だけを見れば"いかにも"なホラー映画。
ホラー映画のメソッドを丸ごと...というか教科書丸写しの設定。
もう一つの設定が無ければ冒頭20分で「映画館の席をそっと立つ」レベルの作品だろう。
勿論このメソッド丸写しは仕掛けであり、仕組まれたものだという事がオープニングではっきり提示される(ここを映画の中盤以降で種明かしするという手もあっただろうがそれだと「どんでん返し」だけの映画になってしまう)
"ある機関"によって何も知らぬ被害者達は誘導され予め用意された設定と巧妙に設えられた舞台で犠牲となる。
それらは逐一カメラで撮影され監視され放送される(ここの設定は曖昧で"ある機関"以外にこれをショーとして眺めている第三者ははっきりと劇中では語られないが機関ははっきりと「ショー」としてのエンタメ性を意識している。つまりは「ホラー映画ってのは実はこうやって撮っているんだ」と観客に思わせる仕掛けだ)
要は『どっきりカメラ』や『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』における「人間性クイズ」のホラー版だ(ただしリアルに死ぬ)
ここまで読んで頂いた方の中には『トゥルーマン・ショー』を思い起こした方も多いだろう。
僕は筒井康隆先生の『48億の妄想』を想起した。
もっとも筒井先生の作品は「至る所に仕掛けられた"テレビ・アイ"が国民を撮影しそれをショーとして放送する」という点は共通しているがさらに恐ろしくグロテスクなのはそれを国民自身も"知って"いてあまつさえ日常ですらテレビを"意識"し、自ら進んで"演じて"いるという点だ、放送される為に。
これが1976年に出版され尚かつ筒井先生にとってこれが処女長編だというのだから驚かされる。
既に文庫は絶版となっているが(隣の国とのアレやコレが話のキーになっているのでいま復刊は出来ないだろうな...)図書館でもいいしKindleにもあるみたいなので是非読んでほしい。



おっと!失礼。
話が幾分逸れてしまったが僕は自他ともに認め(られたいと願ってい)る「ツツイスト」なので許してほしい。

さてこの『キャビン』
よくもまあこんな「ホラー映画で殺されそうな」俳優をキャスティング出来たものだ。
ホラー映画特有の「死にそうなヤツが.....やっぱり死ぬ」という絶妙なキャスティング。
正直、それでホラー映画の4割は決まってしまう。
チャラい男&おっぱい要員の女(イチャつくことで観客の不快指数を上げていく重要な役割)
お調子者(マリファナ込み)
なんか良い奴そうな男(観客になんとなく「こいつは死んでほしくないな...」と思わせつつ死んだら死んだで「あぁ...やっぱりね...」と思わせる程度に感情移入"させない"キャラ)
それにヒロインの「どことなく幸薄そう」な顔も重要だ(『ラストサマー』のジェニファー・ラブ・ヒューイットとか良かったよね)
はっきり言ってキャスティングには9割方満足している(っつうかなんでこんな接点の無さそうな奴らが友達なんだ?という無粋なツッコミはなしで。そもそも全員大学生には見えません)
映画の前半はホラー映画の王道をシリアスにやりつつその舞台裏を差し挟むことでコミカルな脱臼した笑いを産み出している(ちなみに"ある機関"には日本支部もあって明らかに『トイレの花子さん』とか『学校の怪談』を思わせる学校が舞台の映像が流れる。日本のいたいけな小学生に本気で悪態をつくアメリカ人がこの映画での笑いどころの一つだ)
『最終絶叫計画』と違ってパロディ色は強くなくシチュエーションで笑わせる。
例えるなら『最終絶叫計画』がとんねんるずの『みなさんのおかげです』のコントだとすればこの作品はダウンタウンの『ごっつええ感じ』のコント的と言えるだろう。
後半になると舞台は転換しホラー映画の歴史における「化物」「怪人」「怪物」のショーケース(文字通りの意味でもある)
さらには「殺され方」の満漢全席。
理不尽に人が死んでいきそれが行き着く所までいくと荒唐無稽でさえあるという(筒井先生のスラップスティックなスプラッタ描写に近い所も)
ここの描写はキッチリとえぐいです。
ホラーに慣れていない方でも前半は大丈夫だったでしょう。
まあ、人は死にますがそこには"作為"があったし挟み込まれるユーモアが一種の緩衝剤になっていましたから。
ただ後半の無作為かつ理不尽に人が殺されていくシーンは僕の様なボンクラは「ウッヒョー!」と(モバマスの多田李衣菜ちゃんバリに心の中で)叫びたくなるところですが善良なる紳士淑女の皆様には非常にショッキングなシーン。
また設定に対しての細かい説明はなく(それを入れると2時間をゆうに超えてしまい、折角の『午後のロードショー』向きの作品なのにテレ東サイドが「編集で苦労してしまう」ので(笑)賢明だったと思いますが)
投げっ放しなところがあり。
オチに対しても「なんだそりゃ!?」と思われる方も多いでしょう。
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冨樫義博『レベルE』の"あの"シーン。

決して万人にお薦めする映画ではないかもしれません。
純粋なホラー映画ファンの中には拒絶反応を示す方もいるでしょう。
が、僕はまずこの設定自体を評価したい。
かといって「設定ありき」の映画というわけでもない。
コメディ要素が笑えるのもホラー描写がしっかりしているからこそだ。

この映画をお薦めしたいのは僕の様なボンクラと......
テレ東『午後のロードショー』上映作を選考している人だ!
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

庄七..

Author:庄七..
日記にはアルビレックス新潟、U-18年代、大学サッカー等の観戦記とプロレス、漫画、小説の感想等を中心に書いていく予定です。

1 GK(ゴレイロ)
庄七
162cm / 52kg
出身地:新潟県

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