風間八宏さんの『「1対21」のサッカー原論』を読んで ~関東大学サッカーリーグ戦:筑波大学vs青山学院大学~

JR東日本カップ2011第85回関東大学サッカーリーグ戦
筑波大学vs青山学院大学


首位の筑波だが前線の赤秀平くんはなかなかスペースがなく、苦労しているように観えた。
ならばとバイタルでボールを動かして青学の守備ブロックの隙を作ろうとする。
曽我敬紀くんがバー直撃弾を二度、左サイドを突破し中央に預けて中に切り込んで自ら受けてシュートまで持っていくという工夫が良かった。

青学の堅固な守備からのカウンターは見応えがあった。
長いボールをあまり使わず、手数をかけずに縦への何本かのパスでフィニッシュに持ち込む。
関隼平くんは攻撃に変化をつけられるし観ていてワクワクする選手だ。
高久朋輝くんの前線への飛び出しも筑波ゴールを脅かした。

結果はスコアレスのドロー。

さて試合の経過、感想をそこそこに今回は筑波の監督でもある風間八宏さんの著書『「1対21」のサッカー原論』を紹介したい。
風間八宏さんについては説明するまでもないだろう(ちょっとした豆知識、Jリーグで日本人初の直接FKを決めたのは風間さん。現役時代、解説者としての知名度と併せて「へぇ~」の数が結構良い"トリビア"です(笑))
この本には著者自身のサッカー論、技術論、育成論が書かれている。
第1章のタイトルが、、、"「個人戦術」で掴む勝利への布石"、、、だ。
個人戦術とは「選手1人ひとりの戦う術」
この本では所謂「システム論」や「チーム戦術」「フォーメーション」には(恐らく、あえて)触れていません。

システムやチーム戦術を語る前に、確固とした強い「個」がなければ、強い組織を形成することも難しいのです。


第1章では「どういう選手が「個人戦術」「個人力」が高いと言えるのか?」を解説しています。
また、後の章で「どうすればそういった選手を育成出来るのか?指導するのか?」に繋がっていきます。
これがこの本のメインテーマと言ってもいいでしょう。

第2章は、、、"戦える「技術」― 止める・蹴る・運ぶ・外す"、、、だ。
この章では風間さんの技術論が語られている。
まず僕自身プレーヤーとして目から鱗だったのは「インサイドキックはかかとで蹴る」というもの。
子供の頃「足の真ん中土踏まずの辺りで蹴る」のがインサイドキックだって教わりましたよね?
そのほうが正確にボールを蹴る事が出来る、と。
でもかかとの方が強くボールを蹴る事が出来るのは考えてみれば自明の理。
勿論、風間さんは全部かかとで蹴ろと言っているのではなくて、、、

でもどこで蹴ってもいいんだぞ。・・・中略・・・要は同じ質のボールが蹴れるかどうかだし、私より強く正確なボールが蹴れたらいいのだから


と、教えているそうです。
こういうやり方でもいいんだ、と気付かせてくれることは重要ですよね。
僕が学生の頃は「足裏トラップ」や「トゥーキック」って駄目ではなかったけど決して"基本的"ではない技術でした。
こういうプレーを無意識に抑圧しているところはあるかもしれないですね。
フットサルをやり始めてから慣れるのに時間がかかりましたから(今は「足裏トラップ」なんてサッカーでも普通に使いますしね)

次に「外す」動きについて。
風間さんがある指導者の方に「あのツートップの動きにはどういう約束事があるんですか?」と聞かれた時、、、

ツートップの動きなんか練習していません。やっているのは敵を外す動きと、それを意識したシュート練習です


これは「個人戦術」とも繋がってきますね。
僕の参加するフットサルのチームもシュート練習をしますが「外す」動きにまで頭が回ってないのが現状(僕はGKなので尚更実感する、シュート練習なので基本打たせるわけですが「二人一組でサイドに流れて折り返しからシュート」という練習で何故僕が足を出せば止められるすぐ傍をクロスが通過していくのか?相手を観ていない、想定していないということ)
"反復"も大事だがそこに"理論"があってそれを各々が"理解"していないとただ「数をこなしているだけ」ですからね。

第3章は、、、"日本サッカーに必要な「確かな指導力」"
風間さんの「育成論」が語られています。
まずは、、、

育成の段階で「負けないサッカー」のみを目指すべきではないという思いもあります。


という言葉を念頭に置いて読み進めるのがいいかもしれない。
大学サッカーというカテゴリーも決して結果重視ではないわけで"筑波のサッカー"を観戦する上でも参考になる章でしょう。
例えば筑波はユース年代でのポジションとは違った位置でプレ-してる選手が目に付く(石神、不老、車屋等々)つまりは、、、

勝つことを第一目的としたポジションチェンジではなく、すべては、「この選手はどこの場所でプレーすると、もっとうまくなるかな?」という「育成」の目的のもとに試みるのが理想的ではないでしょうか。


ということだろう。実際、、、

そのためでしたら、試合を犠牲にするぐらい、私にとっては何の問題もありません。


とハッキリ言っています(育成段階における"トーナメント戦重視"の弊害にも触れています)

この章の終盤はもっと年齢が下の子供たちの育成、指導に関してページを割いています。
これは指導者だけではなく親御さんにも読んで頂きたい内容ですね。
ここでは区分ごとの各タイトルを抽出しておきます。

やってみせれば子どもはぐんぐん伸びていく

具体的な「手段」ではなく、目指す「結果」を伝える

子どもたちの未来を預かり、育成に本気で向き合う

大人は子どもの力を引き出す「環境」づくりを

子どもを伸ばす「自由な30分」の環境づくり

子どもと大人がいっしょにプレーすることの意義

子どもが「夢」を描けるサッカーの実現を


実に簡潔で的を得たタイトルですね。

本当はもっと引用したい部分もあったのですが長くなりそうなのでこれぐらいで(少し説明が足りないぐらいが「じゃあ読んでみよう」という意欲になるかも、と思うので)
興味を惹かれた方は是非読んでみて下さい。
最後にこの言葉を引用して終わりたいと思います。

自分で考え
真剣にボールと向き合って身につけた技術だけは
世界中のどこに行ってもけっして裏切らない


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テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

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日記にはアルビレックス新潟、U-18年代、大学サッカー等の観戦記とプロレス、漫画、小説の感想等を中心に書いていく予定です。

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162cm / 52kg
出身地:新潟県

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