浅倉久志氏の訃報に触れて

「ぼくはくそったれな諸君が大好きだ。最近はきみらのかくものしか読まない.....(中略).....
きみらのようなキじるしでなくては
人生は宇宙の旅
それも短い旅じゃなく何十億年もつづく旅だ
なんてことはわからない」

ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを/カート・ヴォネガット・ジュニア (著), 浅倉 久志 (翻訳)

昨日、翻訳家浅倉久志氏の訃報を聞きました。

冒頭での引用は主人公ローズウォーターがSF作家会議でスピーチした文章からのもの。

僕はこの台詞が大好きだ。

浅倉氏はヴォネガット作品の大半を翻訳されている、外語をまったく読めない僕には、、、

ヴォネガット=浅倉久志

に等しい。

ヴォネガット作品以外にもP.K.ディックの

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(有名すぎるほど有名な映画「ブレードランナー」の原作)

『模造記憶』(この作品収録の「追憶売ります」はご存知シュワちゃん主演の「トータル・リコール」
短編集は作品によって訳者が異なり蛇足ながらこの作品は浅倉氏訳ではないですが)

あと(自分にとって)意外だったのはスティーヴン キングの『ゴールデンボーイ』も手がけていたこと。
こちらも映画化されてます(イアン・マッケラン、ブラッド・レンフロ主演の全然"ゴールデン"じゃない少年のお話)

そして浅倉氏のあとがきが好きだった、翻訳するにあたっての難しさとか、著者の略歴、発表までの経緯、他の著書の簡単な紹介などもあって一冊読み終わると「ああ、じゃあ次はこれを読んでみよう」と思わせた。

ヴォネガット自身の発言も時折収録されていて、、、

「友人がブラッドベリのある短編の話をしてくれて、わたしはたいそう感心した。すると友人いわく

"そうなんだSFはあらすじをしゃべるほうが読むよりもずっと面白いんだよ"

そのとおり」

これは『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』のあとがきから。
ああ、なるほど。
作中出てくる「トラウト作品」は「SFはあらすじをしゃべるほうが読むよりもずっと面白い」から「他人に説明しやすくするためにあらすじだけで書かれたSF小説」なのだな、と。

こんな感じで著者への理解も深まっていくのです。

素晴らしいあとがきでした。

なにより翻訳者として、また浅倉氏自身の「SF愛」に溢れていました。.

謹んでご冥福をお祈りいたします。
どうもありがとうございました。

トラルファマドール星人的に哀悼の意を示すなら、、、

「単時点的な意味において」

「さようなら」
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