シネマ庄七堂:~アンチェイン~ 映画『ジャンゴ 繋がれざる者』を観た

この間久々に映画館で映画を鑑賞(久々言うても以前観た映画が『スクール・オブ・ロック』ですからね。何年前だっちゅう話ですが.....)
シネマサンシャイン池袋で観て来た映画は・・・・・

ジャンゴ 繋がれざる者

です。
主演はジェイミー・フォックス。
映画版『マイアミ・バイス』の人ですね。
監督はクエンティン・タランティーノ。
タランティーノに関しては高校生の頃に『パルプ・フィクション』を見て「格好良いな」という以上の感想は特になく。
遡って見た『レザボア・ドッグス』は割と好きだが後の『ジャッキー・ブラウン』はつまらないとは言わないまでも「う〜ん」という感想。
『キル・ビル』に至っては作中のアニメーションとかに代表される「日本のカルチャー」への造詣が(決して狙ってはいないんだろうけどだからこそ)悪い意味で鼻につくというか。
僕には「寒い」だけに感じた。
というわけで周囲の評価程は盛り上がれなかった自分(原案だけど『ナチュラル・ボーン・キラーズ』が一番好きな僕はタランティーノファンからは唾棄すべき存在かもしれない、あの映画本人も気に入ってないみたいだし)

今作はタランティーノが撮った「西部劇」だ(舞台は南部やけど)。
物語は南北戦争数年前の「テキサスの何処か」から始まる。
主人公は巡業歯科医のクリストフ・ヴァルツ(顔が作家のチャールズ・ブコウスキーに似てる)に助けら(買わ)れて彼の商売の手伝いをする。
ヴァルツは「奴隷制」を嫌悪している(作中の台詞にある)がキチンと商人の兄弟に金は払う(金を払う前に兄の頭を撃ち抜いているが、、、面白いのは弟は乗っている馬を撃たれて馬の下敷きになり最初の台詞が「馬を撃ちやがって!」でその後に「兄貴を殺しやがって!」なところ。ちなみに弟も二人が去った後奴隷達に殺されます)
制度自体は嫌悪しながらも商売のルールは守る、、、、ヴァルツ(設定はドイツ人)の生真面目さと破天荒さがこの話の推進力だ(しかも弁が立つ)
ヴァルツはフォックスを連れてミシシッピへ。
何故彼かというと彼が賞金首の三兄弟の顔を知っているから。
フォックスはヴァルツの賞金稼ぎの手伝いをしながら旅をする。
旅の目的である「三兄弟の捕縛(ただし生死は問わない)」は作中速い段階で成し遂げられる。
これ以降ヴァルツはフォックスの妻を奪還する為に力を貸す事に。
ここからが第二幕だ。
レオナルド・ディカプリオ(改めて思ったけどええ役者やね。こんな「サディスティックな農場主」なんて役よう引き受けたもんやで)演じる農場主の元に妻がいる事を知った二人は奴隷商人に成り済まして接触するが・・・

まあざっと粗筋を追い掛けてみたがこれは"西部劇"であり"復讐劇"であり"逆襲劇"だ。
ストーリーは複雑でもなんでもなく至ってシンプル(ヴァルツがフォックスの妻探しに協力するのもなにかワケがあるのかと思ったら純粋な親切心だったというね。でも伏線はキッチリ活かしている、特に手配書のくだりとフォックスがヴァルツ譲りの"弁"で相手を騙くらかすとか)
とにかく「悪い白人」は片っ端から撃ち殺す。
まるで時代劇の「殺陣」のように撃ち殺していく。
この"銃アクション"が今作の魅力だ。
当時の銃は連発の性能に限りがある上に装填もスムーズとはいかない。
当時の銃は恐らくパーカッション式が主。
リボルバーだと撃ち尽くしたら装填してある別の銃を使うほうが速い(まあ金属薬莢式のS&Wは既にあったし薬莢が飛び散るシーンもある。断っておくが僕の銃知識は浅く「MCあくしず」連載の速水螺旋人先生『黒色火薬時代』で勉強中の身。銃に深い造詣をお持ちの方がいたらご教授頂きたい)
故に二丁を使っての「ガンカタ」のようなアクション。
さらに銃が命中したときに血しぶきもろとも肉片が飛び散る....っちゅうか"爆ぜる"
それが"リアル"かどうかは僕には(幸いにも)わからないが弾丸の形状も今とは違うわけで(ミニエー弾は出回っていたとは思うが、丸型も使われていたかも)貫通力よりも面の破壊力で肉を回転しながら抉って弾き飛ばすような感じが映像から伝わって来た。
撃たれた方も即死出来れば運がいい方で大抵は死に切れずに呻き、喚きますからね(何回も味方の誤射を受ける可哀想なヤツがいてそこはちょっとコメディ調になってました(笑))
まあ、ハッキリ言ってエグイです(笑)
こういった描写が受け付けない人もいるだろう。
また行き過ぎた「勧善懲悪」に不快感を持つ方や主人公に「葛藤」がないと批判する人もいるはず(殺すのは必ずしも"罪"を犯したものだけではない)
しかし復讐劇に中途半端な「葛藤」や「反省」は物語の魅力を損なう事になりかねない。
一回だけ"逡巡"するシーンがあるが僕にはそれで充分だ。
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これは虐げられたマイノリティや持たざる者が立ち上がる映画でありそこに理屈を付けるのは蛇足というもの。
そういう面では松本零士先生の『ガンフロンティア』に近いものがあるかもしれない(あれも西部劇だし。今作は日本人が黒人に置き換わった『ガンフロンティア』とも言える)
身も蓋もない言い方だがこの作品の魅力は「黒人が白人をぶち殺していく」ところ。
そしてそこに至る背景である「奴隷制度」がどんなものだったのかを「映像」で見せて行くことに意義がある。
目を覆いたくなる様な白人による黒人への仕打ち(無論、その白人は皆殺しにされるが)
そこには「黒人の敵は黒人」という複雑さもある(例えばホロコーストにおける強制収容所では"囚人頭(カポ)"であるユダヤ人こそが最もユダヤ人に対して残忍だった、という証言がある)
だがそこを細密に描くなら3時間を超える大作になってしまう。
しかしあくまでこれは"西部劇"であり、西部劇のメソッドがあったからこそブレない作品になったと言えるだろう(『荒野の用心棒』もそうだけど「主人公が一回敵に捕まる」っていうね)

『ジャンゴ 繋がれざる者』...恐らくゴールデンの地上波では決して流れない映画な事は間違いない。
歴史的背景も勿論踏まえるにこしたことはないが純粋な『痛快(肉体的な「痛ッ!」って意味でも)西部劇アクション』としてまずは一度観てほしい作品だ。
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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

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